好きを仕事にするメリットとデメリット

投稿日｜

2025.03.05

最終更新日｜

はじめに

「好きを仕事にする」という言葉は、多くの学生や求職者にとって魅力的に聞こえます。自分が夢中になれることを仕事にできれば、充実した毎日を送れると思うかもしれません。

しかし、現実には「好きなことを仕事にすること」にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。本コラムでは、「好きを仕事にする」ことの良い面と難しい面について詳しく解説し、自分に合った働き方を見つけるためのヒントを提供します。

好きなことを仕事にすると、自然と意欲が湧きます。仕事に対して前向きに取り組めるため、他の人よりも努力を惜しまない傾向があります。その結果、成長のスピードも速くなり、成果を上げやすくなります。

例えば、デザインの仕事では、好きなことを突き詰めることで独自の作風を確立でき、業界内での評価も高まります。クライアントの要望に応じて新しい技術を学ぶことも、好きだからこそ積極的に取り組めるでしょう。

「好きなこと＝やりがいを感じられること」だとすれば、仕事の充実感も高まります。特に、クリエイティブな職種や専門性の高い職種では、自分のスキルや知識を活かして活躍できる場面が多いため、達成感を得やすくなります。

プログラマーであれば、自分が作ったシステムが多くの人に使われることでやりがいを感じることができます。特に、効率的なコードを書くことが好きな人にとっては、それ自体が楽しい作業になります。

好きなことは、自然と学び続けたいと思えるものです。仕事の中で新しい知識を得ることやスキルを磨くことが苦になりにくく、結果的に専門性を高めることにつながります。

例えば、営業職であれば、お客さんと話すことが好きな人は、より良いコミュニケーション方法やプレゼン技術を学ぶことが楽しくなります。相手の反応を見ながら工夫し、自分の話し方を改善することで成果も向上し、自己成長を実感できます。

「好きなこと」に対して熱意を持っている人は、自然と周囲からの信頼を得やすくなります。顧客や同僚、上司からの評価が高まり、キャリアの可能性が広がることもあります。

「好き」という感情があるため、困難なことがあっても諦めずに続けやすい傾向があります。また、継続することで経験値が蓄積され、仕事の質も向上します。

趣味や好きなことは「自分のペースで楽しめる」からこそ好きなのかもしれません。しかし、仕事になると納期やクライアントの要望などが発生し、自分の好きなように進めることが難しくなります。その結果、かつては楽しかったことが「義務」に変わり、ストレスを感じることもあります。

デザインの仕事では、クライアントの意向を優先する必要があり、自分の好みとは異なるデザインを作らなければならない場面もあります。そのため、自由に創作する楽しさが失われることもあるのです。

「好きなこと＝楽しいこと」とは限りません。仕事には予算や時間の制約があり、自分が理想とする形で実現できない場合もあります。そうした制約の中で続けていると、最初は好きだったことでも徐々に楽しめなくなってしまうことがあります。

プログラマーであれば、自分のアイデアを自由に形にしたいのに、納期や予算の都合で妥協を強いられることがあります。その結果、「本当に作りたかったものとは違う」と感じてしまうこともあるでしょう。

趣味としてやる場合は楽しむことが目的ですが、仕事として取り組む場合は「結果」を求められます。どれだけ好きなことであっても、一定の成果が出なければ評価されないため、プレッシャーを感じる場面が増えることがあります。

営業職では、話すことが好きでも、契約を取るプレッシャーが大きくなると、好きだったはずの対話がストレスに変わることがあります。特に、成績が求められる職場では、数字に追われる日々になりがちです。

好きなことを仕事にしても、市場のニーズと一致しなければ、思うように仕事が得られないことがあります。例えば、デザイナーが自分の好きなスタイルを貫きすぎると、クライアントの求めるデザインと合わず、仕事が減る可能性もあります。

好きなことを仕事にすると、仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすいです。プログラマーが「もっと良いコードを書きたい」と休日も仕事に没頭してしまうケースや、営業職が仕事の成功を追求しすぎて精神的に疲れてしまうこともあります。

好きを仕事にするのは素晴らしいことですが、仕事として収入を得る以上、プロとしての結果が求められます。単なる「好き」だけでなく、「お客さんに価値を提供できるか」「市場のニーズに合っているか」を考えながらキャリアを選ぶことが重要です。

そのためには、職場体験やインターンを積極的に活用し、実際の仕事の現場を知ることが大切です。また、先輩スタッフの話を聞き、仕事のリアルな側面を理解することで、自分に合った働き方を見極めることができます。

就職活動を進めるうえで、多角的な視点を持ち、慎重に判断することが成功への鍵となるでしょう。